イントロダクション

世界中で愛され続けている不朽の名作を
本国スイスで完全実写化!

不朽の児童文学「アルプスの少女ハイジ」(作:ヨハンナ・シュピリ)が、本国スイスで実写映画になりました。混迷した時代の今こそハイジの物語が必要だと実感し、自国の宝であるハイジを21世紀版の新たなマスターピースとなるように思いを込めて製作されました。

世界中でこれほど長く愛され続けているのは、ハイジの物語に子供たちが大人になる時に、そして大人になってからも迷った時に、心に響くメッセージがたくさん詰まっているから。なぜ学ぶことが必要なのか、なぜ人を思いやることが大切なのか、ハイジがまぶしい笑顔で教えてくれます。

ハイジに扮するのは、500人の候補の中から選ばれ、これが映画デビューとなるアヌーク・シュテフェン。アルムおんじには、『ヒトラー ~最期の12日間~』の名優ブルーノ・ガンツ。新しいと同時に懐かしい、そんなハイジとおんじを見事に誕生させた監督は、『リトル・ゴースト オバケの時計とフクロウ城の秘密』のアラン・グスポーナー。

日本でもアニメーション化され、“子供に見せたい名作アニメ”として、真っ先にその名があがるハイジの物語を、本物のアルプスの風景と共にご家族で、友人で、ぜひお楽しみください!

ものがたり

アルプスの風に乗って、
ハイジが
〈本当の幸せ〉を
届けにやってきた!

アルプスの山の大自然に囲まれ、ガンコだけれど優しい祖父や、麓に住むヤギ飼いのペーターと楽しく暮らしていたハイジ。ところがある日突然、大富豪のお嬢様のクララの話し相手として、フランクフルトの都会へ連れていかることに。足が悪く車いす生活を送っていたクララは、明るく素直なハイジに励まされ、元気を取り戻していきます。やがてハイジとクララは固い友情で結ばれますが、ハイジは日に日に山へ帰りたいという想いが強くなっていくのでした。そんな時、お屋敷で幽霊騒動が持ち上がります――。

キャラクター

アルムおんじ(ブルーノ・ガンツ)

声:茶風林

ハイジのおじいさん。人づきあいが苦手で無口だがまっすぐな性格。村から離れた山小屋で一人暮らしをしていた。天真爛漫なハイジには心を開き、ハイジに様々なことを教えてやる。

ハイジ(アヌーク・シュテフェン)

声:花澤香菜

アルプスの山にやって来た、元気いっぱいで心優しい少女。幼い頃に両親を亡くし、デーテおばさんに育てられるが、おじいさんの山小屋で暮らすことになる。動物が大好きで、ヤギのユキちゃんが一番のお気に入り。

クララ(イザベル・オットマン)

声:早見沙織

フランクフルトのお金持ちゼーゼマン家の令嬢。身体が弱く足が不自由なため車椅子で生活している。ハイジが来るまでは、家に閉じこもり、何をするのも一人ぼっちで寂しい想いをしていた。

ペーター(クイリン・アグリッピ)

声:笹島かほる

アルプスにやって来たハイジが、最初に友達になったヤギ飼いの少年。食いしん坊で、勉強嫌いだが、山のことは何でも知っている。

ロッテンマイヤー(カタリーナ・シュットラー)

声:本田貴子

ゼーゼマン家に仕える教育係。礼儀作法や読み書きを知らないハイジにきつくあたる。

おばあさま(ハンネローレ・ホーガー)

声:瀬田ひろ美

クララの優しくて陽気な祖母。ハイジがホームシックにかかっていることを見抜き、思いやる。

ゼーゼマン(マキシム・メーメット)

声:菅原正志

クララの父親。娘を心から愛しているが、仕事で忙しく、めったに家に帰ってこない。

セバスチャン(ペーター・ローマイヤー)

声:菊池康弘

ゼーゼマン家の召使。ハイジに優しく、いつもさり気なく味方になってくれる。

スタッフ紹介

[監督]アラン・グスポーナー
[プロデューサー]ルーカス・ホビ、レト・シャルリ、ヤーコプ・クラウゼン、ウリ・プッツ

監督

アラン・グスポーナー

プロデューサー

ルーカス・ホビ
レト・シャルリ
ヤーコプ・クラウゼン
ウリ・プッツ

制作日誌(1)

ハイジの原点に還った映画を作ろう!

スイスのプロデューサーのルーカス・ホビがハイジの映画を企画したきっかけは、原作との出会いだった。改めてそこに流れる精神に感銘を受けたのだ。「僕らが目指したのは、ヨハンナ・シュピリが望むであろうやり方で、現代版の映画を撮ることだった」。
共同製作者としてドイツから参加したウリ・プッツも、「長く愛され古典として受け継がれるような映画を作りたいと考えた」と語る。「“ハイジ”ほど何世代にも渡って受け継がれ、世界中で知られた物語は滅多にない。この小説は、家、友情、家族、愛、そして若者の独立について描いている。こういったテーマは、すべて100年前から現在でも意味のあるものだ」と説明する。

ハイジに特別な思い入れのある監督を起用

製作チームは、『リトル・ゴースト オバケの時計とフクロウ城の秘密』でもタッグを組んだアラン・グスポーナーを監督に起用する。物語を大切にする繊細な監督として定評があり、見事生き生きとしたハイジを描き出すことに成功した。グスポーナーはスイス生まれで「ハイジ」には特別な思い入れがあった。また日本製アニメ「アルプスの少女ハイジ」を子どもの頃に観て育っていた。スイス最大の文化資産で、世界中が興味を持つ「ハイジ」はグスポーナーにとって特別な挑戦になった。

制作日誌(2)

運命のように、
あっという間に見つかったハイジ

主役のハイジを演じる少女を探すことはとても重要だった。製作チームは「人々の心をつかむことができる少女でなくてはならなかった」と振り返る。アヌーク・シュテフェンと出会ったのは、オーディションを始めてすぐのことだった。「500人の候補と会ったけれど、結局、彼女を超える少女はいなかった」
アルムおんじ役のブルーノ・ガンツも、アヌークの才能を保証する。「彼女は特別な女の子だ。機敏で賢く、話し好きで、感受性も豊か。そして演技が終われば、すぐに普通の9歳の子供に戻る。それがとても興味深かったよ」
アヌーク本人は、ハイジについてこう語っている。「ハイジは陽気な女の子で、どんな人でもありのままに受け止めるの。自由を愛しているし、必要なものはすべて山にあることも知っているのよ」

名優ブルーノ・ガンツもハイジが大好きだった!

製作チームはスイスの名優ブルーノ・ガンツをアルムおんじ役に起用した経緯を「勇気を出して彼に脚本を送ると、驚いたことにすぐに引き受けると返事をもらったんだ。そのうち、スイスでおんじと言えば、ブルーノ・ガンツのことを思い出すようになるだろうね」と語る。
ガンツはオファーを受けたのは、「ハイジは国民的な物語だからね」と語る。
おんじ役を演じるにあたって、ヤギの乳搾りや昔ながらの丸太割り、大きな鎌での急斜面の草刈りなどを練習した。

19世紀のスイスを再現したロケ撮影

スイスでのロケハンのキーポイントは、アルプスの山小屋を見つけることだった。サルガンス地方にあるビュンドナー・アルプスまたはバート・ラガーツ近郊あたりの場所をロケハン隊はかなりの数を見て回ることになった。また1952/55年版の映画のロケ地として使われた小さな村ラッチも、当時の面影を残していたので採用された。スクリーンに映し出されるすべてが、19世紀の物であることに細心の注意が払われ、観客がその当時のスイスの山々を旅行しているような気分を味わえるように、20世紀以降に作られた物はすべて取り除かれた。